次世代ブロックチェーン SUI(スイ)徹底解説| Move 言語と圧倒的スループットで注目の理由
はじめに
みなさん、こんにちは!今回は今話題の**ブロックチェーン「SUI(スイ)」**について、初心者にもわかりや すく解説していきます。
SUI は、2023 年 5 月にメインネットを公開してから急速に注目を集めているレイヤー 1 チェーンです。大手企業の出身エンジニアたちが作り上げたこのプロジェクトは、なんと言っても高速処理と使いやすさが魅力。これまでブロックチェーンに苦手意識を持っていた方でも、この解説を読めば「SUI って楽しそう!」と思っていただけるはずです。
それでは、まずは SUI の基本からゆっくり見ていきましょう。
SUI って結局何?
SUI は、アメリカ発のスタートアップ企業**Mysten Labs(ミステンラボ)**が開発した、レイヤー 1 のパブリックブロックチェーンです。要は「何でもできる土台」を目指して頑張っているわけですが、特に重視しているのが「誰でもサクサク使える」という点。
どうして注目されているの?
- すごく速い:一部の取引は合意なしで瞬時に完了!「Web2 のようなスピード」を目指しています。
- 手数料が安い:重い合意を省く仕組みにより、ガス代をグッと抑えています。
- 安心・安全:Meta の Diem プロジェクトで生まれた「Move」という言語をベースにしているので、スマートコントラクトのバグリスクが少ないんです。
そんなわけで、これまでの「遅い」「高い」「難しい」というイメージを払拭しようとしているのが SUI なんですね。
ざっくり基本データ
- 開発元:Mysten Labs(元 Meta 出身メンバー多数)
- メインネット公開:2023 年 5 月
- 対応言語:Move(Sui Move)
- コンセンサス方式:Delegated Proof of Stake(dPoS)
では、具体的に何がすごいのか、もう少し詳しく見ていきましょう。
開発チームとバックアップ体制がアツい!
SUI を作っているのは、かつて**Meta(旧 Facebook)の暗号通貨プロジェクト「Diem(ディエム)」やウォレット開発に関わっていたエンジニアたち。代表を務めるEvan Cheng(エバン・チェン)**氏は、LLVM 開発や Meta のインフラ周りに精通したすご腕エンジニアです。
さらに、Move 言語を作った**Sam Blackshear(サム・ブラックシア)**氏や、セキュリティ・分散合意の達人たちも参加。チーム全員が“ブロックチェーンのプロ”と言っても過言ではあ りません。
お金周りの安心感もバッチリ
出資先も豪華で、a16z(アンドリーセン・ホロウィッツ)やBinance Labs、さらに日本の電通グループまで。2022 年のシリーズ B ラウンドでは 3 億ドル以上を調達し、「これは本気だな…!」と業界全体から注目を浴びました。
SUI の中核を支える 3 つのポイント
では、SUI がなぜ便利で速いのか、その理由をかんたんにご紹介します。
1.Move 言語&Sui Move:スマートコントラクトがとにかく安全!
「Move」はもともと Meta の Diem 用に作られたプログラミング言語で、バグの入り込む余地を極力減らす設計になっています。SUI ではこれを「Sui Move」としてさらにカスタマイズ。ポ イントは、すべてを「オブジェクト」として扱うことです。
- トークンや NFT だけでなく、「ゲーム内アイテム」や「契約書」などもオブジェクト化できる
- 「このキャラは誰が持ってる?」「このアイテムはどこで使われた?」など、すべてがはっきり見える
- アップグレード・合成・削除など、オブジェクトを自在に操作できる
オブジェクトとして扱うことで、例えば「キャラクター A とアイテム B が合体して、新しいアイテム C になる」みたいな処理も、チェーン上で安全にサクッと実行できるんです。
2.並列処理でガンガン捌くから速い!
ブロックチェーン=遅いイメージを崩す秘密が「トランザクションをざっくり 2 種類に分けて処理」する仕組みです。
- 単純な取引(資産の移動だけ) → いちいち全員の合意は不要。高速な「FastPay」的な処理で瞬時に完了!
- 複雑な取引(複数人が関わるスマートコントラクトなど) → Narwhal という土台(DAG) → Bullshark という高速 BFT 合意で、安全に承認
これが意味するのは、要らない合意を省いて、本当に大事な部分だけしっかりチェックするということ。結果として、実験環境では1 秒間に 8 万〜12 万件もの取引が可能と報告されています。
3.Narwhal + Bullshark:バランスが最高の合意メカニズム
- Narwhal:DAG(有向非循環グラフ)を使って、まずデータをネットワーク全体にばらまきます。これで「誰がどんな取引を出しているか」を共有。
- Bullshark(旧 Tusk):その上で「本当にこの取引を承認していいか」をビザンチン合意で決める。
この 2 段階方式によって、「安全だけど遅い」「速いけど危険」のどちらに偏らない設計が実現されています。
SUI トークン(SUI)の仕組みとお財布事情
SUI が動くためのネイティブトークン「SUI」についても触れておきますね。ポイントはこんな感じです。
SUI トークンの主な使い道
- ガス代の支払い:トランザクション実行時に必要な手数料として使います。
- ステーキング&バリデーター運営:保有している人はトークンをデリゲート(委任)することで、ネットワークの意思決定に参加できます。
- オンチェーンガバナンス(今後実装予定):将来、プロトコルのアップデートなどを投票で決めるときに使う想定です。
- ストレージ料金の担保:SUI 上にデータを置くときの「保証金」みたいなイメージ。
トークンの配分は?
目的 | 割合 |
---|---|
コミュニティリザーブ | 50% |
開発チーム | 20% |
ベンチャー投資家(VC など) | 14% |
Mysten Labs(開発企業) | 10% |
テスト参加者・貢献者 | 6% |
初期から100 億枚(1SUI = 10^-9SUI 単位)の上限が決まっていて、今はそのうち約 33 億枚が市場に出回っています。残りは徐々にロック解除されていくので「大量アンロックで暴落するのでは…?」と心配する声もありますが、チームは慎重に配分スケジュールを管理中。